

証券取引法違反にホリエモンこと堀江貴文氏に対して懲役4年が求刑された。
最近発生した同種の事件と比べてみた。
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2005年10月
西武鉄道株を巡る持株数等の有価証券報告書虚偽記載事件
コクド元会長 堤義明氏
求刑懲役3年、罰金500万円
懲役2年6月、執行猶予4年、罰金500万円
2006年3月
2年間の連結決算をそれぞれ800億円粉飾
カネボウ元社長 帆足隆氏
求刑懲役2年
懲役2年、執行猶予3年
2006年12月
04年9月期連結決算での50億円超の粉飾
ライブドア元社長 堀江貴文氏
求刑懲役4年
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先のコクドとカネボウについては刑が確定していて、どちらも執行猶予が付いた判決である。一方堀江隆文氏に対しては4年が求刑された。どうも3年以上の刑の確定の場合執行猶予がつかないらしく、一審で実刑をくらう可能性があるそうだ。よって新聞各紙は重い求刑とか異例とかいっているとのこと。一見して、どう見てもライブドア事件が一番小さな事件にみえるのだが、刑が一番重いのはなぜであろう。検察は堀江氏に反省の色がないからというが、態度が悪ければ刑が重くなるとしたらそれもどうなんだろうと思う。その辺の感情論は抜きにして客観的に判断すべきでないか。
いろいろと疑問の多い問題なのがこのライブドア事件の特色だと思う。
粉飾の中身をみてみると
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傘下会社2社の預金など14億円余りを自社の売上に付け替え
企業会計の原則上、売上として計上できない自社株売却益三十数億円を、連結決算の売上に算入
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どちらも架空の数字ではなく、解釈はどうあれ根拠のあるお金というところが堀江氏らしいのだろうか。
「傘下会社2社の預金を付け替え」というのは対価になんらかのグループの広告料等のサービスが当然あったんではないだろうか。それとこの問題は売上の帰属期間の粉飾と関わっていたと思うが、この問題がそもそも証取法と絡めて議論するほど大きな問題なのか疑問です。
「自社株売却益三十数億円」の方については資本の二重計上という問題が興味深い。またこれに関連して検察の別の発言では「株式交換が悪いのではなくそれを売り上げに計上することを前もってもくろんでやったから」とあった。でもそれは本当に立証できるのだろうかというのも疑問。必要もなく株式を過剰に発行すれば、株式価値が希薄化する。将来の価値を伴わない希薄化なら、株価が下がり、株価が下がれば買収もできなくなる。つまり、株式交換で獲得した企業をグループに取り込むことによるシナジー効果で、その買収した企業やグループ全体の価値をあげられなければ、結果市場原理においてにそのようなグループは淘汰されてしまうのである。売り上げをあげることを目的に自社株を発行するようなビジネスモデルがいくらIT産業でも成立してしまうほど市場は馬鹿ではないだろう。事実、強制捜査直前までライブドアの株価はあがり続けていたし、それは将来を見越した投資家の投資活動だったはずである。
今回の事件ででくる報道が「彼女がかわいそう」「怒った」「にらんだ」等々、堀江氏のプライベート表情をことさら強調ばかりしているのも疑問。本質がとてもぼやけているのである。これは近年タレント並みにテレビ出演してメディアに踊らされた本人の身から出たさびだったのだろう。この点は元経営者として最大の反省点だと思う。
そもそもこの問題は、市場原理にまかせればよかったのではないか。不正行為とされることを公表して、不正かどうかを市場の判断にまかせればよかったのだ。検察の強制捜査の前に、ライブドアとしては修正申告のチャンスももらえず、市場から退場させられた。結果、損をしたのは正しい情報で投資判断を行えなかった投資家である。検察が市場を甘く見ていたのか、それともまかせられなかった日本の市場がだめなのか。いずれにしろ海外から見た日本の資本主義経済は滑稽だったはずである。
事業戦略室 石田 有史郎